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実りの秋を迎え、秋田は今収穫の季節。9月下旬から始まった稲刈りもほぼ終盤。刈り取りが終わった田んぼに無数のとんぼが舞うさまは、まさに米どころ秋田を感じさせる郷愁あふれる風景です。今月はそんな秋田の「秋の話題」をいくつかお届けしたいと思います。
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Photo1
刈り取りを待つ稲穂
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▲スギダラケVSスイハンジャー
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稲刈りといえば、新米。みなさんはもう食べましたか?あきたこまちの新米で作る「きりたんぽ」や「だまこ鍋」は格別にうまいのですが、なんといっても一番なのは、ほかほか炊きたてのご飯です。ところで、みなさんはそのご飯をどうやって食べていますか?と、ここまで読んでピン!ときた人は、おそらく去年の秋田杉見学ツアーに参加した方では?そうです。ご飯を炊いたら、炊飯器から「おひつ」に移してから、お椀に盛り付けるんでしたね!曲げわっぱの栗久の栗盛さんの「わらしさしまりのねぇままかへるもんでね!(子どもに締まりのないご飯をたべさせるものではない!)」という言葉に秋田人として深く反省し、それからはちゃんと杉のおひつに炊きたてのご飯をよそって、余計な水分を吸わせて「締まりのあるご飯」を食べさせるようにしています。確かに、おいしさが違うんです!杉の効能かな?うまみが増すというか。最近の炊飯器は様々な機能を凝らして美味しいご飯が炊けるようになっていますが、所詮米を炊く「機器」。ご飯を入れておく「食器」としては、見た目にも機能的にもやはり杉のおひつに軍配があがると思います。ただ残念なことに、東北地方ではおひつは売れないと秋田杉桶樽の日樽の日景さんから伺いました。東北では冬はすぐにご飯が冷めてしまうので、保温機能のついた炊飯器がでるようになってから需要が減ったと言うことです。昔はわらで作った「飯詰(いいづめ)」におひついれて保温をしていたけれど、わらで作る生活道具もコンバインでの稲刈りで姿を消し、保温ができる炊飯ジャーがでてからは、すっかり主役の座を明け渡してしまったようです。引き合いがあるのは関西より西のほうだそうで、おひつを使う食文化がまだ残っているからでは?ということでした。それを聞いて何か複雑な気持ちでした。「杉」や「わら」でできた道具や家で生活していた頃の暮らしに学ぶ温故知新の生活文化を子どもたちに伝えることも親の役目かな、って思う今日この頃です。
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▲杉太in美短祭
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9月から10月にかけて県内では秋祭りが盛んに行われます。先月、能代のサンピノ祭で活躍した杉太が、9月17、18日に行われた美短祭でもまたまた大活躍しました。毎年、環境デザインコースで出している模擬店ですが、今年は先輩たちが製作して残してくれた一坪の家でカフェを開店。杉太は看板息子?としてお店の前で大いにアピールしてくれました。このお店のある場所は、旧国立食糧倉庫を大学の実習棟として活用している建物です。昔はここに新屋駅から鉄道の引き込み線が伸びており、倉庫からすぐに積み込めるようにホームになっているため、幅広い屋根がついており模擬店にはうってつけの場所。並みいる競合?!(お好み焼きや焼き鳥、餃子、などなど)に負けじと頑張った甲斐あって2日間で当初の目標の10倍の売上げ!これも杉太のおかげかな?ともあれ子供から大人まで、たくさんの人たちが何気なく杉太に座ってくれるだけでもとってもうれしい2日間でした。
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Photo2 開店前の杉太とカフェ
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Photo3 学生にも人気の杉太
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Photo4
杉太の足が隠れて浮いているみたい!
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▲里宮の大杉
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秋田空港のある秋田市雄和。秋田市の東南部に位置し、地区のシンボルでもある高尾山のふもとを雄物川が流れ、広大な田園が広がる農村地帯です。高尾山には、西暦715年、坂上田村麻呂が夜叉鬼の怨霊を鎮めるために建立したと言われる高尾神社(本宮)があり、古くから修験道場として栄えたところです。ふもとの里宮には坂上田村麻呂が戦勝を祈願して植えたと伝えられる樹齢1000年以上、樹高約40メートルもの「里宮の大杉」が3本も自生していて、今なお樹勢衰えることなくそびえ立っています。高尾山自体は383メートルとそれ程高くはないのですが、八号目付近からは蛇行する雄物川と屋敷林と田園と杉林がどこまでも続く景観はまるで鳥になったような気分にさせてくれます。
そこで一句…「スギダラケ あぁスギダラケ スギダラケ」(滝汗)
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Photo5
高尾神社(里宮)正面
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Photo6 鳥居の向かって右にある一番太い大杉。
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Photo7
奥の2本も立派なもの。
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Photo8 神社のそばの高台からみる。
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Photo9
雄物川の川縁の眺め。
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Photo10
雄物川、高尾山からの眺め。
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▲木偏サミット
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10月21,22日に、「全国木偏のNGO/NPOサミット2006
in 秋田」が二つ井で開催されます。木偏のNGO/NPOサミットは、日本の杉桧を守る会(http://www.sugi-hinoki.ne.jp/)の呼びかけにより、第1回目が2005年3月大分県日田、2回目が今年の3月に東京で開催され、第3回目が秋田で開催されることになりました。開催の目的は、全国各地に点在するNPO・NGOの情報交換の場を提供し、市民啓発、世論形成、または行政に対する働きかけなどの点で、効率のよい連携連帯を実現するネットワークを確立することです。今回は現地コーディネートをスギダラ二ツ井支所の杉麻呂こと加藤さんが担当されています。スギダラ秋田支部長として、私もこのサミットに参加する予定ですので、是非次号に報告できればと思います。どうぞお楽しみに!
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●<すがわら
かおり> 教員
秋田公立美術工芸短期大学 産業デザイン学科 勤務 http://www.amcac.ac.jp/
日本全国スギダラケ倶楽部 秋田支部長
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