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朝の4時に起床し、外はまだ暗い中、妻と娘とともに羽田空港へ向かう。
飛行機で初めての宮崎県上陸。早速、レンタカーで、会場の神林公園へ向かう。
会場に着くと、青い空、緑が映える公園にダイナミックな杉の作品たちが並んでいる。
圧巻である。
その中で最も小さな作品がMC-1000であった。
実際の作品を見たのはことのきが初めてである。会場におりて近くでじっくりと見てみる。
素晴らしい。
このデザインを実現させた職人さんに対してそう思った。
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全景
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1000本の先端を丸くした六角形の杉の角材をハニカム状にして組み合わせたシンプルな構造であるが高度な木工技術なくしては実現しない。
後で聞いた話だが、先端を丸くするための金具の刃を作ったが壊れてしまい
最終的には手作業で1000本の先端を丸めたとのことだ。
しかしこの苦労のおかげで、杉の柔らかさを演出するとともに、机上では計算できない、「触り心地」という価値が実現されていた。
実際にほとんどの人がポコポコした表面を手で撫でて、杉の触り心地を楽しんでいた。
これは人間の本能的なものだろう。プチプチをつぶしたい欲求と似ているのかもしれない。
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表面
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思わず触って撫でてしまう。
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プレゼンまで、まだ時間があるので、娘のために木工教室を申し込んだ。
収納ボックスを選び、慣れない手つきでトントン、カンカン悪戦苦闘。
その後は屋台で昼食をとった。
イベントあり、屋台あり、まさに地元のお祭りという雰囲気は、家族で楽しむことができ、
どのコンペとも趣が異なり楽しく活気があった。 |
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そして、いよいよプレゼン。
会議室ではなく屋外でのプレゼンは楽しんで終えることができた。
結果として唯一の家具作品であるMC-1000が優秀賞をいただいたことは意味があったと思っている。
本来、杉は柔らかい故に家具には向いていない。
しかし、その柔らかさを活かした家具ができれば杉の良さを体感でき、
杉の良さを再発見する良い機会になるだろうと思った。
そしてその思惑は職人さんの手を借りて伝わったのではないかと思う。
MC-1000はラブソファの形態であるが、
六角材のモジュール形式なので様々な家具の展開が可能である。
今回の杉コレの作品たちが、コンペだけで終わらず、
発展・展開し、どんどん実際に世に出て、杉の魅力が一般消費者に伝わることを願う。
今回、作品はどこか公共の施設に寄贈されるとのこと。
どんな空間に置かれるのか、そのときはまた家族で宮崎に行って見てみたい。
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プレゼン風景。
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●<いちはら・たくみ>
JWTジャパン勤務 http://www.jwt.co.jp/
アカウントマネジメント アカウントディレクター
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