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1.はじめに |
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杉は古来より、建築空間を構成する素材として、また人々の住宅建築としての素材として多岐にわたって利用されて来た。それほど杉は日本人の身近で役に立つ素材として、入手しやすい材であったといえる。 |
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写真−1 乾燥による割れやねじれ・反りが起きやすい |
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2.20世紀における杉を取り巻く問題点 | |||||||||||||||||||
ここで一つ杉に関して特筆すべきは、今まで(第二次大戦以前)は天然の杉と人工の杉では、天然の杉が多く、戦後になって人工杉が面積的に多くなり、生産・出荷の9割以上が人工杉となってしまったといえる。 |
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2−1 国産杉の現状と課題 | |||||||||||||||||||
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写真−2 植え杉 | 写真−3 放ったらかし杉 | ||||||||||||||||||
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(1)〜(3)に示すような「3大杉」が大きな問題となり、杉の価値が低い状態となっているのが現状であると思われる。 (5)については、絶対的な乾燥技術及び、それを可能とする十分な施設がどこにでもあるわけではなく、安定した品質を得るのは難しいのが現状である。 |
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特にKD材では米松の供給量は多いが、国産材のKD材はまだこれからといった状況にあり、いつでも入手可能な米松KD材に対し、コスト面でもまだ少し割高であることが、杉を使いにくくしているものと思われる。 これらの問題すべてを解決するには、かなりの時間と多くの人の労力及び技術力が必要になることが予測でき、とても一林業家や一製材所等では、解決できなくて日本全国の意欲ある人々が結集して問題解決に当たらない限り不可能であると思われる。 特に杉は現在のように、伐採期になっている杉が多く、その杉をみんなで料理して使わなければ、杉というものが、日本の山林でのお荷物になってしまう恐れがある。 それは断固として阻止するべきであり、有効利用をみんなで考え、取り組むことが大事なことであるのだが、ほとんどが独占技術として技術開発が行われており、みんなのためのオープン技術として世の中の役に立っていないのが現状であると思われる。 また、杉を製材して使っている建築設計・施工者も、杉の材料工学的物性を理解しないで、材料学では当たり前のことをほとんど知らないで、大工に言われるまま使ったり、人の言い伝えによる使い方で住宅に使用していることにより、力学的に検討しないまま使用し、後々問題となることがある。 2001年より「品確法」が施行され、性能を表示することが求められている中で、未だに梁一本の構造計算が出来ないで、断面ばかり大きくし接合部を考慮しないで施工している人や、断面欠損があるのに欠損を考慮しないで設計施工する人たちがいること自体、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて、非常に信頼性が低いと言われてもしかたがないのである。 また、木材の使い方にしてみても、木が切り倒されて製材された木が「生きていて呼吸している」などと平気で言う人が一部にはいるのである。 |
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2−2 心持ち材は強いのか | |||||||||||||||||||
また、心持ち材が強いと言う風によく聞くが、心持ちという部分がどのあたりを差しているか私にはよくわからないが、大工さん達に聞くと、杉の場合、赤みの部分を差していることらしいが、実際に立っている木の中心部が引張や圧縮及びせん断等に強ければ、ほとんどの木は風及び雪によって倒れたり、または周辺部が破壊されるのは明らかである。 |
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図−1 | 図−2 | ||||||||||||||||||
ただし、辺材(成熟材)は心材(未成熟材)よりも腐りやすいのは確かなようであり、赤みでない白い成熟材は腐朽菌や蟻害を受けやすい部分であると一般的に言われている。(図−2) 杉のことで色々と多くの問題があると書いたが、部分的に解決する方法は有ると思われる。 |
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●<たはら・まさる> 「木構造建築研究所 田原」主宰 http://www4.kcn.ne.jp/~taharakn |
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