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前に一度読みかけて、しかし気乗りがしなくてうっちゃていた。なのに今はいちいちよくわかるつもりで読み進んでいる。もしや、と思って、この作品が書かれたころの夏目漱石さんの年齢をみたら、わたしとほぼ同じ年だった。 仕事の打ち合わせにいく合間の電車の中でたぶん眉間にシワを寄せて読み、最寄り駅近くでページを閉じて、目をつむる。大きく息を吐きながら、仕事であう人のことを思って、今まで読んで感じていたことと違う世界にいくのか、その延長上でいくのか、とぼんやり悩む。数秒の間の心のたゆたい。できれば延長でいきたいと願う。 人気作家であった夏目漱石が大病をして「自由」になったときの心の動きを書きとめたのがこの作品。 「豆腐屋が気に向いた朝だけ石臼を回して、心のはずまないときは決して豆を惹かなかったら商売にはならない。更に進んで、己の好いた人だけに豆腐を売って、いけ好かない客を悉く謝絶したら猶の事商売にはならない。」 どうなんだろうか。 |
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●<いしだ・のりか> フリーランスキュレ−タ− 1965年京都生まれ、金沢にて小学2年時まで杉の校舎で杉の机と椅子に触れる。 「人と自然とものづくり」をキーワードに「手仕事」を執筆や展覧会企画などで紹介。 近著:「藍から青へ 自然の産物と手工芸」建築資料出版社 草虫暦:http://xusamusi.blog121.fc2.com/ ソトコト10月号より「plants and hands 草木と手仕事」連載開始(エスケープルートという2色刷りページ内) |
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