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*第13回 「京都府美山町の杉の性能把握実験・その1」はこちらへ |
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小径木及び若齢杉の性能把握実験 | ||||||||||||||||
1. 試験目的 | ||||||||||||||||
京都府美山産の小径木普及を目指し、本実験では樹齢20年から60年の元玉から先端材まである杉材を用意し、様々な条件の材の単材レベルの基本性能を知ることを目的とする。 |
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2.試験概要・方法 | ||||||||||||||||
2−1.試験日 | ||||||||||||||||
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2−2.試験体概要 | ||||||||||||||||
京都府北桑田郡美山町産の樹齢20年から60年の杉を試験体に用いる。 |
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次に試験体の情報を一覧表に示す。 | ||||||||||||||||
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2−3.試験体写真 | ||||||||||||||||
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(1)樹齢60年生の先端の材 (これまで未利用の材で丸身を持っている) |
(2)樹齢60年生の元材、自然乾燥 6ヶ月間 (乾燥による割れの入っている) |
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(3)樹齢30年生の間伐材 (胸高直径15cm程度の材で丸身を持っている) |
(4)樹齢60年生の先端材、自然乾燥 13ヶ月 | |||||||||||||||
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2−4.試験状況 | ||||||||||||||||
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ハンマーによる試験体の打撃 | ||||||||||||||||
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2−5.測量器具データ | ||||||||||||||||
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含水率計測 | 直結型マイクロホン | |||||||||||||||
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重量測定機 | FFTアナライザ | |||||||||||||||
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(1)グレーディングマシン GM-1200(株)ATA 集音部・重量測定部・FFT部から構成される |
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(2)含水率計 |
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3.結果一覧 | ||||||||||||||||
3−1.機械等級区分による分布 | ||||||||||||||||
(1)曲げヤング係数の平均値 | ||||||||||||||||
曲げヤング係数の平均値は74.52[tf/cm2]、 日本建築学会では70tf/cm2と定めているため、これを上回った。 基準値を下回ったのは、全体の1/4にあたる27本。 |
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(2)機械等級区分の分布 | ||||||||||||||||
機械等級区分で分けると、 E50: 13%, E70: 48%, E90: 33%, E110: 6% になる。下限値は56[tf/cm2]となるので学会値を下回る。 |
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3−2.標準偏差・下限値 | ||||||||||||||||
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4.考察 |
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データから分かるように無名な産地とも言える京都府美山町の『ともいきの杉』は植林後30年程度の「齢な杉」でさえヤング係数が70以上の物があった。また、60年以上の末口直径が6cm0程度の先端材でもそれに匹敵する性能が見られた。この様に見た目が悪いとされるような 材を選木した結果このようなバラツキのある結果となったので有るが、今回の実験で最大117[tf/cm2]、最小42.9[tf/cm2] であり、このばらつきには2.7倍の差があるが、特別悪いものと良いものとの差がこの程度起こりうるのが自然材の特性でもある。 |
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その中で、建築基準法以下で材料を利用し、最高の材と同様な性能を引き出すシステムがあれば、このような低ヤングの見た目の悪い材や小径木の間伐材等が有効利用され、林業の活性化につながるものと思われる。 | ||||||||||||||||
この後、大阪府岸和田市のポテクカレッジにて「破壊実験」をし、非破壊実験との比較を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。乾燥による大きな割れ(表面幅12mm程度で深さ40mm程度)で材長の1/2程度でも割れの影響は無かった。 |
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これらの結果より「ともいきの杉」の若齢材や先端材を利用して『小径木構造』の木造2階建て住宅を大阪府八尾市において実際に建て、最高性能の性能評価を受けた事例がある。 |
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*ヤング係数とは 物質の曲げにくさをあらわした係数で、別名「弾性(だんせい)係数」とも言います。 ヤングとは、この性質を発見した人の名前です。 |
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●<たはら・まさる> 「木構造建築研究所 田原」主宰 http://www4.kcn.ne.jp/~taharakn |
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