![]() |
![]() |
![]() |
![]() ![]() |
![]() |
|
||||||||||||||
![]() |
今年のはじめ、つくづく自分が「マヌケな人生をおくっている」のだと、ぐさりと気持ちにつきささる発言を聞いた。ある本の取材で、高円寺にあるリサイクルショップを営むMさんに聞いた話だ。(ここで、それって、あの店、あの人だとピンとくる人も多いかもしれない) おおよそ 「住む場所のために、お金を借りて、あくせく稼いで、家にあまり帰れない人」 ぼくも21年間のサラリーマン生活の中では、このふたつがマヌケな人生だとは、考えたことがなかった。というか、そういう視点が抜け落ちていた。会社と家の往復、仕事中心の生活があたりまえになっていた。 5年前にせっかく会社を辞めたけど、あいかわらずローンは払い続けているし、自分の家の地域に関わることができないでいる。もちろん、広い意味では、多摩地域という広域では、地域に関わることができはじめている。23区内に出稼ぎに行く時間も、少しずつ減ってきている。 そろそろ、抜本的に、何かを変える必要に迫られている。家を売る。引っ越す。仕事と生活を変える。マヌケな人生を変えるためには、大きな決断が必要なのだろう。 最近、よく考えるようになったのは、半径1キロ以内ぐらいで、基本的な生活を組み立てたいということ。どうしたら、それが可能なのか考えている。農業や林業の一次産業に取り組むべきなのか、商店主として、地域振興に本腰をいれるべきなのか。 他にもいろんなやり方があるはずだ。しばらくの間、マヌケな人生をダッキャクするための試行錯誤が必要だろう。地に足のついた暮らし。住んでいる場所に関わる幸せ。なんだ、自分が求めていることって、単純なことだったんだとようやく気づいてきた。 |
|||||||||||||
●<はぎわら・しゅう>デザインディレクター。つくし文具店店主。 1961年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。 大日本印刷、リビングデザインセンターOZONEを経て、2004年独立。日用品、店、展覧会、書籍などの企画、プロデュースをてがける。著書に「9坪の家」「デザインスタンス」「コドモのどうぐばこ」などがある。 つくし文具店:http://www.tsu-ku-shi.net/ 『東京の杉を考える』web単行本:http://www.m-sugi.com/books/books_tokyo.htm |
||||||||||||||
|
|||
Copyright(C)
2005 GEKKAN SUGI all rights reserved |
|||