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先日、新潟の燕三条で行われた「ニイガタIDSデザインコンペ」の審査に参加してきた。レベルの高い製品がかなりあり、加えて主催者の皆さん、審査委員の皆さんも楽しい方が多く、いろんな意味で、ディープで、有意義な機会を与えて貰った。その帰り、東京に向かう帰りの新幹線でどんどん深くなる雪景色を見ながら、これから必要なデザインの事などを考えていた。 僕はもともとデザイナーなのでものを考え、ものをつくる事に関しては大好きなのだが、もののある豊かさと、もののない豊かさはどう見ても後者の方が、レベルが高く感じる。別に原始人を目指そうというわけではなく、生活そのものがものに支配されている現実がある中で、さらにものを増やすということに十分注意が必要ではないかということである。 |
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それらが与えてくれるのは農作業、除雪作業という、いわば生きていくために、絶対行わなければならない日常の辛い作業の負担の軽減である。それらのの作業の多くをお年寄りがやっている。出来るだけ作業を早く終える事が出来れば、その分楽しい時間が多く取れる。つまりマイナスを減らしプラスをつくるものなのだ。僕はそういう道具は絶対無くならないし、必要だと思っている。あってもいい、便利なものとはちょっと違うのである。 | ![]() |
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融雪機:カタチもユニーク。IDS審査委員賞受賞 | ||||||||||||||||
そんな事を考えているうちに、これからのひとつのキーワードは自給自足ではないかと思い始めた。いわゆる家庭菜園や自給自足風とかモード的な話ではなく、生き方として現実的な話である。そこには個人の自給自足はもちろんであるが、地域の自給自足、そして日本の自給自足と繋がっていく。自給自足を自立と置き換えてもまったく同じと解釈して欲しい。それらを目標とするときに必要なものは必ず残っていく。もちろんそれは他の地域にもフィットすれば流通消費されるものでももちろん構わない。ただその地の必然性から生まれたものは、必ず生き残る理由を持った商品になっていくということである。経験上、他にはない真のオリジナリティーはそういうところから生まれると思っている。そこには農業、漁業、林業、ものづくり、食、教育、自主防災、移動など、原始人とは違う多くの文化的な事をこなして行かなければならないが、日常生活をよりシンプルに、いかに楽しくするかということに他ならないわけで、自分たちで生産し、消費し、守っていくという自立基本三原則の中に、楽しくなる要素が沢山詰まっている。生まれてから死ぬまで、自分たちが、自分たち流に共同でシステムをつくり、もっと自由に生きていけるのだ。もちろん体力、自立心、責任感、協働意識、遊び心などはより必要になってくるが、それも大切。実際にそんな基準で地域づくりを行っているひとつが飯干淳志さん率いる高千穂秋元集落だ。それぞれ皆さんが、パブリックな役目を持っている。 ひとつ重要なことは、地場振興というもの対する助成金等のお金の流れは残念ながら、そういう本質だけではない価値基準で選ばれていないものも多い。だから無くて良いものも生まれてくる。必要なところに必要なお金が流れるシステムが根底に必要である。 どうですか、スギダラな人々は、そういうことが出来る方が沢山いらっしゃるのでは。 自給自足の会、略して自自会でもつくりませんか? あるいは日本全国地地場場倶楽部。略してジジババ。こんな発想から生まれるモノは楽しいだろうな。ね、中井章太さん。 |
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● <なぐも・かつし> デザイナー ナグモデザイン事務所 代表。新潟県六日町生まれ。 家具や景観プロダクトを中心に活動。最近はひとやまちづくりを通したデザインに奮闘。 著書『デザイン図鑑+ナグモノガタリ』(ラトルズ)など。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部 |
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