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結構やっているようで、今まで意外と杉の家具デザインといものは,そんなに多くデザインしていない。だから不安もある。(笑) スギダラでは杉が人を繋ぐ、そして地域を繋ぐと言ってきた。それは恐らく違っていない。 一方スギダラツアーでは、あちらこちらで杉の素材としての魅力、人を結ぶ魅力を感じ、訴えてきた。それは必然性があるし、これからの社会に必要な事だと。これも間違っていないはずだ。では、そこからどうデザインが関わっていけるか?
というとこれはなかなか難しい。 今回話したかったことに戻すと、今、若杉さんとある地方自治体と杉の商品化のデザインを行っている。それは単に地域と一緒にプロダクトデザインを作るのでなく、商品開発だ。何が違うかというと実際に売って利益を出せる商品を作るということ。つまり良いと思うものをつくるだけではなく、流通で売れるものが必要なわけである。 ここで矛盾が生ずる。自分たちが使うのだから自分たちが良ければいい。自分たちがつくり、使うものはそれだけで意義がある。という考えもある。買う側からすると、欲しくなければ話にならない。一地域発といえ、多くの人に魅力的なものでなければいけない。つまりローカリティーがより普遍的な価値を持たなければならないからだ。どちらかを犠牲にするのでは意味がない。両立することが必要なのだ。つまり単に商品のみの価値ではなく、その背景に潜む地域力というものが感じられ、消費者はそれも含めて価値だと納得する必要があるわけだ。それでは初めてメーカーも企業も地元も利益が出る。 言葉では言えるがこれはなかなか簡単なことではない。解っていてもそれを実践することはかなり時間がかかるし、開発チームだけでは補えない幅の広さが必要だ。そこに住む生活者とどう関わるかという命題に突き当たるからだ。何でもかんでも出来るわけではない。その時こそ人の力だと思っている。主張するところは主張し、地域に委ねるところは委ねる。そのさじ加減が大事になってくるのではないかと思う。しかし、本当はデザインというものは本来それがセットになっているものであろう。 逆 に言うとスギダラで多くの人に一生懸命語ってきたこと、地域社会と共通の認識を持ち、上も下もないパラレルな関係がきちんと築けるかどうかだ。信頼すれば信頼される。自分たちで言ってきたことだ。もうある法則の通りやっている場合ではないのだ。何が大事で誰のためにやっているかはっきり言えるべきだ。経済主導、中央主導ではない、地域発の目指していたデザインをやれるチャンスだ!
そう思うと気が楽になる。しかし半年後、発表するまでにどんな答えが出せるか期待と不安が入り交じっている。 先日内田洋行で行われた杉コレ一次審査の内藤廣審査委員長の次の言葉が頭から離れない。 「今、必要なデザインは、
格好良くてスマートな
”弱いデザイン” ではないと思います。
う〜ん、さすがだ。同じ事を思っていたと、聞いた後では言える。 |
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スギコレ一次審査で発表された「ashikara 」内田洋行と宮崎県木青連共同開発 デザイン:南雲勝志 | ||||||||||||||
● <なぐも・かつし> デザイナー ナグモデザイン事務所 代表。新潟県六日町生まれ。 家具や景観プロダクトを中心に活動。最近はひとやまちづくりを通したデザインに奮闘。 著書『デザイン図鑑+ナグモノガタリ』(ラトルズ)など。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部 |
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