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東北復興木づかいプロジェクト「タコマツの木づな」の家具、タコマツ(スツール)。材がクロマツで、タコのような風貌をしていることから、「タコマツ」と命名された。 photo/小瀬佳伸(ビートルスタジオ) | ||||||||||||||||
東北復興木づかいプロジェクト「タコマツの木づな」。 これがこのプロジェクトの正式名称です。 2011年3月11日に地震が東北の地を襲った時、私はスギダラメンバーとともに鹿沼の木工所めぐりツアー中でした。その仲間と、このタコマツのプロジェクトにかかわっているのは、とても不思議な巡り合わせに思えます。 ざっとではありますが、このプロジェクトを時の経過とともにご紹介したいと思います。 |
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奥羽木工所の芳賀専務が、被災木たちを何とかしたいという思いで若杉さんに電話を掛けた日から、続々と役者は集まってきました。 内田洋行から、若杉デザインチーム(現在はパワープレイスにチームごと出向)、発起人&現地調整の奥羽木工所チーム、木材以外の金物脚製作担当は鹿沼のサンテック、東京ウチダシステムの販売チーム、プロモーション担当のネオ・コミュニケーションズ&木づかいビジネス協議会チーム。後押しをするのは林野庁。 |
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実は、このプロジェクトが2012年5月に発足する前から、若杉チームの被災木利用は始まっていました。過去に若杉さんがデザインしたタコスギ、イカスギというスツールをもとに「タコマツ」「イカマツ」のアイデアが生まれ出るのに時間はかからず、プロトタイプはできあがっていたのです。 2011年は国際森林年でもあったため、そのマークを焼き入れられたプロトタイプが、2011年の10月にはお披露目されていました。それを進化させたのがこのプロジェクトでした。 |
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プロジェクトは、被災木でイスを作り全国の方にそれを購入してもらう、という趣旨ではありましたがそれだけでは終わりません。人々の暮らしをずっと守ってきてくれた海岸林や屋敷林に感謝するとともに、もう一度家具としてよみがえらせ、その木々が背負ってきた美しい東北の風景の記憶を次代につなぐ、そのために「タコマツ」というキャラクターを生み出してみんなに愛してもらおうという、一致したチームの想いがありました。 |
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5月から内田洋行チームが準備を進め、6月からプロジェクトが本格始動しました。各地からメンバーが集まり、デザイン・仕様や価格を決め、プロモーションの方向性を決めるために何度も話し合いが持たれました。 その中でよりタコマツを愛してもらうために、キャラクターが必要だということになり、さらに気軽に購入できるグッズがあり身近にタコマツを感じられるといいねということから、グッズ展開も始まりました。ずいぶんといろいろなアイデアが出てきたのですが、やはりコストとの戦いに敗れゆくものが続出しました。 |
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7月、第一回目の現地ロケハンが行われ、タコマツプロトタイプとともに宮城県へ。津波でなぎ倒された木々が山積みとなった光景と出会うことで、チームの中に湧き上がる思いがありました。 | ||||||||||||||||
このロケハン中に若杉さんの車中遠隔指示のもと、下妻画伯(パワープレイス)がタコマツのキャラクターを練り上げました。何度も何度もデザイン修正画が飛び交う中「今日はここまでで許してやるか」という若杉さんの一言で決着がついたことが忘れられません。 このキャラクターが完成したことで、押しつけがましくはなく、そっとみんなの心に入り込んでいく、そしてタコマツを見た人は思わず笑顔になってしまう…。プロジェクトの狙いでもあったタコマツの愛らしさや存在意義を、多くの方に共感してもらうことができるようになりました。 |
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第一回現地ロケハン(宮城県・7月)。山積みされた被災木を見て決意を新たにする。 | 第一回現地ロケハンと同時期に完成したタコマツのキャラクター。デザインは下妻賢司(パワープレイス)。 | |||||||||||||||
9月末、タコマツの試作完成を待って、パンフレットなどの制作のために宮城県で撮影が行われました。海からタコマツが続々と上陸する、そして日本全国を席巻していく――、これが若杉さんの最初からのイメージでした。それを再現するために、天気のコンディションも悪い中、カメラマン小瀬さんがメンバーともども奮闘し、奇跡の晴れ間を狙って撮影は行われました。 |
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奇跡の晴れ間を狙っての撮影(宮城県・9月) photo/小瀬佳伸(ビートルスタジオ) |
チップにされる木材を見学中のタコマツ photo/小瀬佳伸(ビートルスタジオ) |
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10月、第二回目の現地ロケハンで福島県へ。福島原発の影響で、木材を使うことにも大きな障害がある事実を目の当たりにし、「タコマツを作りましょう、とか言っていていいんだろうか…」と、言葉を失うタコマツチームでした。この件はまだ道は開けず、個々のプロジェクトだけでは解決しない問題です。 | ||||||||||||||||
このころ、ストラップやピンバッジのタコマツグッズが完成し、本体に先駆けて全国に散り始めました。「タコマツがやってきた!」第一弾のスタートです。 そしてさまざまな場面にタコマツがいる写真をつなげた、ムービーも作られました。美しいミッチェル・フォアマンのピアノ曲に載せて流れる映像に、チームもほっと息をつきました。若杉さんが敬愛するこのミュージシャンには曲の使用許可をいただき、正式にWEBでも流せることになりました。ぜひ一度ご覧いただきたいムービーです。 |
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ムービーは「タコマツの木づな」ウェブサイトよりご覧いただけます。 こちら→http://www.takomatsu.jp/ |
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タコマツ ストラップ (¥380 税込 以下同様) photo/小瀬佳伸(ビートルスタジオ) |
タコマツ ピンバッジ (¥380) photo/小瀬佳伸(ビートルスタジオ) |
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家具シリーズ。手前からからタコマツ(スツール ¥17,850)、イカマツ(ハイスツール ¥21,420)、コーンマツ(三角コーン ¥47,250)、ノシマツ(サインスタンド ¥47,250)、フタゴマツ(ベンチ ¥70,350) photo/小瀬佳伸(ビートルスタジオ) |
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11月にはプレスリリースを打ち、その甲斐あって福島ラジオやJ-WAVE、早朝のNHKラジオでも若杉さんの熱い思いが(緊張気味に)語られました。 12月、「エコプロダクツ2012」の東北復興支援コーナーにタコマツブースを構え、試作すべてがそろいました。その様子は「家具新聞」に掲載されました。 |
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「エコプロダクツ2012」の東北復興支援コーナーに出展(東京ビッグサイト・12月) | ||||||||||||||||
そして記念すべき初出荷は年をまたいでの1月。シリアルナンバーが付けられたタコマツやイカマツが、全国に旅立っていきました。 「タコマツが我が家にやってきました!」の声がfacebookに上げられ、ていねいにエアパッキンで足先まで梱包された姿や、部屋に並んだ姿がアップされていきました。これこそ、プロジェクトチームが描いた通りの広がり方でした。ファンが、仲間がどんどん増えていくことで、派手な広告など何も打っていないプロジェクトはじわじわと広まっていったのです。 |
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記念すべき初出荷のタコマツ(1月) | 続々とFacebookに上げられた「タコマツがやって来た!」の声。 photo/足利昌俊 | |||||||||||||||
その後も、タコマツたちはイベントや展示に出演し続け、被災地の想いをちょっとでも伝えようと頑張っています。 各被災地で、木たちが使われるのを待っています。健気にたたずむタコマツが、各地で発見されるようになるまで、タコマツプロジェクトは走って行くのです。 |
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被災木がもう一度、人々の暮らしを支える存在になれることを願って。 photo/小瀬佳伸(ビートルスタジオ) | ||||||||||||||||
東北復興木づかいプロジェクト「タコマツの木づな」 | ||||||||||||||||
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●<ただ・ともこ> 木づかいビジネス協議会 理事(事務局担当) http://kizbiz.org/ ネオ・コミュニケーションズ ソーシャル事業部 http://www.neo-comi.co.jp/ 木づかい製品販売中「木づかいショップ」 http://www.kizukai-shop.com/ 里山活動団体「アクション・グリーン」隊長(代表) http://actiong.exblog.jp/ 木育活動ユニット「まめの木プロジェクト」 http://blogs.yahoo.co.jp/mamenoki_project |
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