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●振り返れば | ||||||||||||
杉モノ・デザイン展が終わった。準備に奔走した日々、酒蔵に所せましと並んだ作品、いっぱいのお客様。舞台となった「白水」は今、それが嘘のように静まりかえっている。 確かなデザインと技術を身にまとった杉モノ作品が並び、湯気が立ち昇る台所には杉皿に盛られたおいしいご飯。杉の屋台にはおにぎりやパンが並ぶ。縁側にはかわいいお菓子やこだわりの産物。土間にはかくうちで酒を交わす人々。喫茶では香ばしい珈琲の香りが立ち込めていた。 思い返せば「杉モノ・デザイン展」の使者、佐藤薫さん(姉さん)が我が家「白水」に現れたのは、まだ雪の舞い散る今年2月のこと。それから一年を経たずして「杉モノ・デザイン展」は現実のものとなった。 杉の木クラフトの二人は小さい子どもさんと一緒に「白水」に通い、展示会の核になる展示会場を作り上げ、緻密なレイアウト、作品管理を一手に担った。さらに毎日のように平日のカフェの食べ物を作るなど、実行部隊の「エース」の働きぶりであった。 |
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●経験 | |||||||||||||
そんな中で僕自身も思いがけない経験をした。 それからというもの、溝口さんや長尾さんに手伝ってもらい、箱作りの日々が始まった。ここで学んだことは、箱は思いのほか手作りの要素が多いことだ。イメージとして大量生産される木箱が、こんなにも手作業の工程が多いことに驚いた。組立と仕上げの工程はほとんどが手作業といってよいのである。これだけの手間の「安さ」と中国桐の「安さ」に驚きを隠せなかった。 |
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そしてやっとの思いで出来上がったのがこちらである。 ・「ほいあん堂のお菓子と阿南陶磁器工房の急須入り煎茶野だてセット」 ・「こうひいや竹嶋のこだわりコーヒー杉箱セット」 ・「佐賀の銘酒 杉猪口入り杉箱セット」 |
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「ほいあん堂のお菓子と阿南陶磁器工房の急須入り煎茶野だてセット」 | 「こうひいや竹嶋のこだわりコーヒー杉箱セット」 | ||||||||||||
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「佐賀の銘酒 杉猪口入り杉箱セット」 | 初めてのハコ作り。必死な顔の長尾さん。 | ||||||||||||
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もう一つの印象的なことは「ASHIKARA」と「杉箱」の杉材調達である。はじめ、南雲さんデザインの作品に関しては、杉の天板も本部から送られて来るとのことだった。しかし、僕個人としては、せっかくの南雲デザイン家具を地元厳木の杉で作りたいとの思いがあった。 |
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南雲さんデザインのASHIKARA。有馬さんが材を手配し、溝口さんが加工した天板に内田洋行さんの脚をドッキング。皆嬉しくてなでなでする。 | |||||||||||||
またこんな出来事もあった。地元の厳木中学校より「スギダラ授業」を依頼されたのである。中学生との交流は実に楽しかった。中学生は、僕の作品「スギコダマ」を作る体験を通して、杉の魅力に気づいてくれた。最後には1年生全員が授業中に「杉モノ・デザイン展」の見学に来てくれた。中学生の心にちょっとだけスギ花粉を蒔いた気持ちだ。きっと近い将来心に蒔いたスギ花粉は、実を結び、小さな芽になると信じている。 |
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厳木中学校1年生。杉の芽がでますように。 | |||||||||||||
●思うこと | |||||||||||||
「杉モノ・デザイン展」には素晴らしい「杉モノ」と作り手が集まった。人が手間と情熱を注いで作り上げた「杉モノ」はこんなにも輝くことを知った。山の杉がカタチを変え、人々の生活に必要とされ、活躍できることを示すことができたと思う。 |
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杉+人 |
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●<ありま・しんぺい> 造形作家、「白水」企画担当 「白水」に生業と人々のにぎわいを取り戻すべく活動中。 造形ワークショップも展開中。木の作品も制作してます。 |
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