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今年は、なんだか、さっぱり夏を感じない。雨は多いし湿気が高い、気温もいまいちだ。天草の夏は暑い、しかも強烈に暑い。事実、去年は焼き付くように暑かった。僕は昨年の夏は2度、実家に帰った。その時も本当に暑かった。「焼き焦がれる」ような暑さなのだ。もうこれくらいになると暑さに諦めがつく。「え〜い、どうにでもしやがれ」って感じなのだ。そして、一転して、その夜のヒンヤリ感と静けさと、真っ暗な夜がたまらない。朝露の静寂の朝から、焼き焦がれる太陽が現れる、その変貌ぶりが、僕は好きである。 昨年の夏は僕にとって様々な事を教えられた年だった。昨年の7月だっただろうか、田舎から突然の電話があり、母親が車から放り出されて事故にあったと、父から連絡が入った。親父はひどく憔悴していた。「おれん、車に乗とって、ドアがちゃんと閉じとらんかったったい、カーブで車から放り出してしもうた。今病院で見てもろたバッテン、右肩が複雑骨折しとるごたる。あいた〜、おれんせいばい。」いつも、無意味に明るい親父は今までに無いぐらい声が細かった。 そして、暫くして天草に帰った妹から連絡があった。 母は、天草で美容室を経営していた。勉強家で、いつも新しい美容技術を学んでいた。僕はよく母に「こんな田舎で、そげん都会の技術ば学んでも使い道はなかバイ」と冷やかしていた。 そんな、母親が、「仕事再起不能状態」なのだ。僕は正直、一人で頑張っても、年は取るし過疎化が進む田舎で、もうゆっくりしてもいいんじゃないかと思っていた。いつも、いくつも慢性の病気を抱え、ボロボロになりながら、僕たちに苦労話をしながら仕事をやっていた。 母からの「泣き電話」は昔の母の電話に少しずつ戻った。 人は何をもって、生きようとするのか? お金ではない、そして異性でもないかもしれない、地位でもない、名誉でもない。極端な言い方をすると、家族ですらないのかもしれない。だれもが、やがて年を取り、時間が過ぎていく中でなくなっていく。生きている本当の証それは、社会とのつながりなのかもしれない。 母は、今、一日一人程度のお客さんのために店を開けている。それは社会との繋がりだった。一人では生きていけない弱々しい存在だった。そして自分という行く末が、社会の何に繋がっているのか、何処に繋がっているのか、生きるという探索を続けなければならない。 私がいなければ、僕がいなければという繋がりと、思い込み、そして喜び。スギダラには、「自分という行く末」を探り合い、そして高め合う仲間が沢山いる。それはやがて、新しい関係性と素晴らしい社会へと繋がっているような気がしてならない。本来の仕事、組織、そして社会って、そんな繋がりをもっていた筈だ。たしかに経済活動がなければ生きていいけない。しかし経済だけでは人は生きられない、生きることは、死に行く事につながっている。一人では生きていけない、弱々しい自分を認め、次の世代に受け渡すためのデザイン「社会との繋がり」が必要な時期がきているように思える。 新しい繋がりを求めてスギダラは、今年は更なる転機がこの秋に日南で起こる。 日南の沢山の仲間に敬意を表して。 |
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はじめまして、毎回楽しく挿絵を描かせていただいている下妻です。若杉さんの挿絵は今回で4回目になります。今回はかなりシリアスな内容でしたので、お母さんが復活して、また美容室が始められるようになった光の部分を抽出し描きました。お母さんがとても微笑ましく「いらっしゃい」と言ってるところです。 みんなに愛されるような挿絵を描いていきたいと思います。宜しくお願いします。 |
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お知らせ | ||||||||||||||||
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収録が終わって、KIKIさん(左)、小山薫堂さん(右)に囲まれ、記念撮影。収録スタジオに「杉太」や「イカ杉」も持ち込みました。 | ||||||||||||||||
9/7(月)〜9/11(金)の一週間、21:50〜22:00の時間で若杉さんがJ-WAVEに出演しました! 番組は小山薫堂さん、KIKIさんのナビゲートによる、TOKYO SMART DRIVER 「SHARE SMILE」。 J-WAVEのホームページでは、若杉さんの話した内容が紹介されていますので、(しかも、収録時の写真つき!)こちらもチェックしてみてください。 http://www.j-wave.co.jp/original/sharesmile/ |
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●<わかすぎ・こういち> インハウス・プロダクトデザイナー 株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンターに所属するが、 企業の枠やジャンルの枠にこだわらない 活動を行う。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部デザイン部長 |
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