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ちょうど秋の景色。東北のあざやかな季節、杉も黒々といっそう鋭く。 以下全文。 |
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『栗鼠と色鉛筆』 | |||||||||||
樺の向ふで日はけむる つめたい露でレールはすべる 靴革の料理のためにレールはすべる 朝のレールを栗鼠は横切る 横切るとしてたちどまる 尾はder Herbest 日はまっしろにけむりだし 栗鼠は走りだす 水そばの苹果緑と石竹 たれか三角やまの草を刈った ずゐぶんうまくきれいに刈った 緑いろのサラアブレッド 日は白金をくすぼらし 一れつ黒い杉の槍 その早池峰と薬師岳との雲環は 古い壁画のきららから 再生してきて浮き出したのだ 色鉛筆がほしいって ステツドラアのみぢかいペンか ステツドラアならいいんだが 来月にしてもらひたいな まああの山の上の雲との模様を見ろ よく熟してゐてうまいから |
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朝露にぬれた小道がレールのようにきらきらしているのかもしれない。 栗鼠(リス)のすばやさ、ちょこまかとした動き。しっぽが秋だなんて。ススキの穂? ルビがうってあってなおあざやか。水そばのアップルグリンとピンク。 ステッドラーの色鉛筆で描きたい気持ち。でも描く前に、今なら写真に撮る前に、この風景をしっかり食べる。ああ、食べたいなあ、おしいしいだろうな。 |
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●<いしだ・のりか> フリーランスキュレ−タ− 1965年京都生まれ、金沢にて小学2年時まで杉の校舎で杉の机と椅子に触れる。 「人と自然とものづくり」をキーワードに「手仕事」を執筆や展覧会企画などで紹介。 近著:「藍から青へ 自然の産物と手工芸」建築資料出版社 草虫暦:http://xusamusi.blog121.fc2.com/ 『杉暦』web単行本:http://www.m-sugi.com/books/books_nori.htm 『小さな杉暦』web単行本:http://www.m-sugi.com/books/books_nori2.htm ソトコト(エスケープルートという2色刷りページ内)「plants and hands 草木と手仕事」連載中 |
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